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2012.08.31
2013年問題と就職活動

 2013年に60歳になる人たちが抱える問題として、「2013年問題」というものがあります。2013年問題とは、年金をもらえる年齢が60歳より上がり、その関連で「定年」が延びることに伴って起きる事態のことです。
 厚生年金の支給は定額部分と報酬比例部分からなっています。もともと年金とは、60歳からもらえるものだったのですが、定額部分については、段階的に年齢を引き上げられてきましたが、2012年度で支給年齢が64歳に達したため、今年度一杯で廃止となり、2013年度より老齢基礎年金に移行されます。報酬比例部分についても、60歳から65歳へ段階的に引き上げられ、2025年からは65歳からに決定しています。
そして2013年は、60歳になっても年金がもらえない世代が初めて現れる年となっているのです。 これはこれから60歳になる高齢者の問題であって、今現在新卒採用に向けて就職活動している若者には何の関係もない話なのではないのか、と思われるかもしれませんが、これが大いに関係がある話です。
 さて、では60歳になったからといって年金がもらえないとなれば普通どうするでしょうか。ほとんどの人は働くはずです。よほど蓄えがあるのなら別ですが、まさか何年も無収入のまま遊んでいるわけにはいきません。
 そこで現在就職活動している若者と関わりが出てきます。
 政府は60歳になっても年金が受け取れない人たちがあふれることを懸念して、希望者に対しては、定年後の雇用継続を企業に義務付けています。この義務を守らなければならないとすれば、会社も余剰な雇用を抱えるわけには行きませんから、出て行く人たちの数が絞られれば、入ってくる人たちの数も絞らなくてはなりません。となれば、企業は新卒採用について採用数を減らすなどの対応をとるようになるでしょう。
 人口減少と共に労働力人口が減少していく日本では、定年年齢の引き上げも必要なことではあります。しかし、それで新卒採用を減らされるなど若者にしわ寄せが行くことは、大いにありえることでしょう。
 全体のパイが大きくならないのであれば、ただ単に一部の人たちに負担を押し付けるのでなく全体で負担を分かち合い、一人一人の負担を軽減する必要があります。具体的にはワークシェアリングなどの措置が有効かと思いますが、行政や企業がそのような措置を図るような兆候は、残念ながら見られません。

 厚生省の研究会の報告書では、「ヨーロッパの事例では、高齢者が早めに引退したとしても、若者の失業解消に効果は見られなかった」とする指摘をあげているのですが、それはあくまでヨーロッパの話であって、日本ではどのような状況になるのか、今の時点ではまだ未知数です。
 高齢者と若年者では人口のボリュームに偏りがあるので、政治、行政はつい大きな固まりである高齢者集団の利益になるようなことを考えがちですが、若者の政治に対する無関心や諦念は、政治、行政が若者を省みないことの理由の一つでしょう。

 若者も政治に対して積極的に声を上げていき、雇用機会を増やす政策を行うよう、働きかけていくべきでしょう。


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